jugmapのジャーニーチーム、青木直哉です。
EJCから帰ってまいりました!
今年のEJC開催地は、オランダのアルンヘム。なんと、6000人を超すジャグラーが大集合しました。公式アナウンスによれば、のべ6573人が参加したとのことです、多い!!うひゃー!!
……と先走って勝手に盛り上がっておりますが、「EJCって何?」という方も大勢おられると思いますので、まずはEJCについて簡単に説明を。

EJCとは、ヨーロッパで毎年開催される世界最大のジャグリングのフェスティバルで、「European Juggling Convention」の略称。開催国は毎年異なります。昨年はポルトガルでした。その前はポーランド。ヨーロッパだけでなく、世界中から集まったジャグラーたちが、9日間にわたりテントやホテルに泊まって生活をともにします。そして、体育館で一緒に練習をしたり、ワークショップで技術を教えあったり、ショーを見たりして過ごします。


集まる人たちは、ジャグラーがメイン。ですが、ジャグリングだけということでもなく、多様なサーカススキルを持った人々たちがやってきます。ヨーロッパはジャグリングとサーカスが密接に結びついているためです。そのおかげで、エアリアル、ハンド・トゥ・ハンド、ハンドバランス、タイトワイヤー、アクロバットなどの身体技術も、見たり、体験したりすることができます。プロ、アマ、老若男女、国籍を問わず、多様な人々が一堂に会します。その技術と、表現と、生き方の多様性を、広く体感できるのがEJCの魅力。希望すれば自分でワークショップをやったり、ショーに出ることだってできます。

EJCは、ジャグリング/サーカス漬けで過ごす、非常にエキサイティングで自由なフェスティバルなのです。
(EJC2025公式サイトはこちら)
青木がEJCに初めて参加したのは、2012年のことでした。日本のジャグリングとは趣向の違う、パワフルなエネルギーに衝撃を受けたことを今でも覚えています。
それからほぼ毎年通うようになり、今回で9回目の参加です。ハマり出した当時は学生で、一年間アルバイトをしては、ヨーロッパに行ってお金がなくなり、またアルバイトを……という繰り返しでした。これさえ行かなければお金が貯まるんだけどな、と思いつつも(笑)、このコンベンションのおかげで働く意欲が湧いていたとも言えます。
今まで参加したEJCはどれも思い出深く、またそれぞれに特徴がありました。大西洋の孤島で、自然いっぱいの中行われたもの、小さい規模でアットホームに行われたもの、サーカス学校の敷地を駆使して行われたどでかいもの……。
今回は特に、素晴らしきオーガナイザー(運営陣)による「整った」EJCであることが印象的でした。すごく快適だった。
では、そんなEJC2025に行ってきた筆者による濃密レポート、お楽しみください!!

<出発日>
仕事の出張で行ってきた松本から、地元横浜へと急いで帰る。なんせ、始発で横浜に帰り、その日の午後4時には空を飛ぶ便に乗る予定なのです。スーツケースの中身を入れ替えたら、すぐに走って羽田空港へ。交通機関が乱れたら一発でアウトだ……という一抹の心配もありましたが、運よくスムーズに全ての乗り換えをクリアー。余裕を持って羽田空港に到着し、キャセイパシフィックの便に乗り込んで香港経由でオランダへ。
さて、乗り換えの際に、嬉しいハプニングが発生。香港国際空港のふかふかのベンチで次の飛行機を待っていると、少し遠くでヨーヨーを振っている男性が見えたのです。近づいて声をかけると、これからチェコで開催されるWYYC(ワールドヨーヨーコンテスト)に参加するという、香港人のヨーヨープレイヤーでした。ちょうどEJCと開催期間が被っていたのです。のび太くんのような気の優しそうな顔をしたこの方は、名をYoyo Wingさんという。オーバー40部門に出るんだよ、と屈託のない笑顔で語ってくれました(全然そんな歳には見えなかった)。知らない人だったし、ジャグラーではないのですが、僕はディアボロをやっているため、ヨーヨーにはシンパシーを感じるところ。またヨーヨープレイヤーの知り合いも多いことから、共通の知り合いの話でも盛り上がる。嬉しい出会い。
お互いに健闘を祈って(僕は何も戦わないけど)それぞれの目的地へ。
<8月5日 火曜日 EJC1日目>

機内で目を覚ますと、上空からオランダが見えてきました。いやぁ、低い低い。見渡す限り、緑で、低い。陸と海がほとんど同じ高さのようにも見えて、すぐ洪水になっちゃうんじゃないの、と心配です。飛行機は無事に着陸し、スーツケースも問題なく回収。目指すはアルンヘムの会場。
EJCの今回の会期は、8月2日から10日までの9日間でした。僕はEJC全体のスケジュールでいうと、4日目からの参加。EJCは全期間参加しなくてももちろんOK! 1日だけ参加、週末だけ参加、という人も決して珍しくありません。
オランダ最大のアムステルダム・スキポール空港から電車とバスを乗り継ぎ、草原の中に風車があったり、家畜がのんびりしている様子を横目に、アルンヘム駅へと到着。

改札を抜けると、クラブをバックパックにつけている男性がおり、早速ジャグラー発見! と思って話しかけるも、「いや、もう行ってきたんだよ」と。残念……。これから帰る人でした。楽しんでね、と言われてお別れ。がっかりしましたが、会場に向かうバスに乗ると、EJCオーラを出している別の女性を発見。また思わず話しかけると、こちらはオーストリアから来た参加者でした。「初めての参加だからね! 何が起こるか全く想像つかなくて、ワクワクするー!」と笑っていました。
ここで、公共交通機関について。オランダでは電車もバスも、タッチ決済対応のクレジットカードをタップオン/オフすれば乗車できる仕様で、自動で精算される仕組みでした。旅行者には大変楽でした。ローカルの交通カードや切符を買わなくて済む地域は、ヨーロッパでどんどん増えています。国や地域によりけりですが。これは便利です(冒険感は少ないけど)。
11時頃にはEJCの会場に到着しました。会場に入った途端に、ジャグラーたちが、ずらりと無数に現れます。リュックからクラブぶらぶら。歩きながらポイをくるくる。ドレッドヘアのヒッピーが一輪車ですいすい。駅から会場に到着するまでは、至って普通の街なのに、バスが会場のゲートをくぐった瞬間、景色が一変します。まるでハリー・ポッターが魔法の世界に飛び込んだような気分。
受付のプレハブに入り、ネットであらかじめ買っていたチケットのQRコードを見せました。

「ようこそ!」と言われ、オレンジ色の布製のリストバンドを腕(または脚に)つけてもらいます。これが入場証。この布をつけてもらうと、待ち望んでいたフェスについに来たぜ、とさらにワクワクした気分になります。体育館や劇場テントの入り口でこれを見せれば、どこにだって入れます。
人によってはこのバンドをイベント終了後になってもつけている場合があります。中には、十数年参加しつつ一本も外さない、という猛者もいて、腕にボロ雑巾のような布切れが大量に付いている人も見ます。迫力あります。かくいう僕も20代の頃、同じバンドを5年つけていたことがありました。お風呂で毎日一緒に洗うので、くさくなったりはしないのですが、ある時、なんだこれ邪魔だなと思って全部切りました。

さて、レジストレーション(参加登録)を終えたらまずはキャンプ場へ。キャンプ場に着くまでに途中で何人も知人を見つけました。そのたびに、挨拶をするため立ち止まります。なかなか前に進めません。
今年の会場は大きい方でした。受付からキャンプ場まで、15分ほど歩きます。決して近くはない。公式で自転車の貸し出しも行っていました。確かに、ちょっと忘れ物をしてテントに帰る時なんかも歩くのは少し面倒で、自転車があったら便利でした……(事前に申し込みをしないと用意されないシステムでした)。
でも、以前のEJCでは、会場がもっともっと広大で、端から端まで30分歩くようなところもあったので、マシな方です。
自分のテントを張り終えたら、まずは「サーカストーク」を聴きに行きます。サーカスとジャグリングについて数人がプレゼンをするレクチャー。EJCには座学イベントも色々とあります。大きなタープの下で、お茶を飲みながらのんびりお話を聴きます。参加者は30人くらいです。「私の英語下手で、よくわからなかったらいつでも質問してねー」などという人もいます。英語ネイティブではない人の方が多い環境なので、お互い気兼ねなく助け合いながら進めていきます。

話の途中で、友人から連絡が来たので途中で抜けました。日本から持ってきた本やボールを持って渡しに。その友人とは、2年前にJJFのゲストだったボウです。日本のジャグリング道具はクオリティが高いのに安いので気に入っており、彼にはよくおつかいを頼まれます。
その次はWJFアドバンスト部門の観戦。WJFとは、スポーツジャグリングを推進するジェイソン・ガーフィールド氏が主催する、ナンバーズジャグリングの競技イベント。普段はアメリカで行われているものが、EJCにやってきたのです。決勝に進んだ3人が、ボール、クラブ、リングの道具ごとに、順番に出てきて、技を競い合います。
ガラテントという名前の大型テントでショーが行われていましたが、今年はステージ照明やスクリーンなども充実していて、カッコよく編集された競技者紹介ビデオが、ズンズンと響くBGMとともに流れる中、色とりどりの照明が演者を照らしたりして、随分と豪華でした。自然と観る方も気分が盛り上がります。優勝は若きフィンランド人のケヴィン・ニーッテュヴィータ。笑顔が爽やかな青年で、みんなから祝福されていました。

合間合間ではジャグリングゲームも行われ、世界トップクラスのナンバーズジャグラーたちがステージ上でジャグリングする姿は圧巻。

WJFを見終わり外を歩いていると、スーパーマーケットでアルバート・ルーカス氏に会う。クラブのかの有名な技名「アルバート」は彼にちなんで名付けられたもの。レジェンド中のレジェンドです。なのに「セルフィー撮ろうぜ」と(向こうから言ってきて)気楽に写真を撮ってくれます。

また、00年代に大活躍したロシア生まれのジャグラー、ヴォヴァ・ガルチェンコ氏とも初対面。これはチャンスだと思ってインタビューを申し込むと、快くOKをしてくれ、今やっちゃおうぜ、とノってくれたので、すぐさまその場でカメラを回してインタビュー。かつてJJFに来た時の話や、最近は何をしているか、など色々な話を聞くことができました。これがEJCです。レジェンドたちもその辺を歩いていて、対等に話ができる。ジャグリングの世界の風通しの良さを感じます。
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夜はスペシャルショーの『Escalate』を観覧。オーストラリア出身の3人組によるカンパニー「スロウ・キャッチ・コレクティブ」による演技です。バイロン、リチャードのレベルの高いジャグリングに、ミュージシャンのサミュエルによるギターが加わって、リズムの妙で魅せる演目。面白かったです。

オランダに到着したてで眠かったのですが、クィアをテーマにした、バーテント(その名の通り、バーとして機能している、また音楽も聴ける、ライブハウスのような役割のテント)で行われる深夜のイベントを、ビール片手に友達とヒューヒュー言いながら見たり、日本にいる板津大吾さんと繋いでポッドキャストを録ったり、気が付けば2時半まで起きていました。
こりゃもう限界だ、とテントに帰ったら、気絶するように眠りました。
<8月6日 水曜日 EJC2日目>
朝からEJAのボードミーティングに参加します。眠い目をこすって会場へ(11時だけど)。EJAとは、EJCの開催を支援する組織のことです。ヨーロピアン・ジャグリング・アソシエーション。
僕は去年からJapanese Country Contact(連絡係)として、EJAのメンバーになっています。やり取りは、基本的にはウェブ上ですが、毎年EJCで顔合わせが行われます。世界中の人たちが集まり、これからのEJAの方針や、お互いの役割を確認しあいます。
ミーティングが終わったらみんなでランチタイム。懇親会です。

それから、トレーダーズブース(出店)を見て回りました。世界中の作り手が集まっています。道具のみならず、ステッカー、服、リュック、本などを売るブースだってあります。ジャグリングをモチーフにしたモノが所狭しと並ぶ様子は、日本ではなかなか見られない光景。EJCの靴下やTシャツなど、公式グッズも買えます。
ヘンリースのブースで壊れたクラブを直したり、プレイのブースで細かくカスタマイズ注文できたり、直接のやり取りができるからこその楽しみもあります。
お店の人の人柄がわかるのも面白い。例えばヘンリースの人たちは、寡黙に、バシバシと工具を使ってクラブを直しているし、プレイの社長ダビデはひょうきん者のナイスガイ。爆音で音楽を流しながら、楽しそうにクラブを組み立てています。
ラッドファクターのブースで矢部亮さん、渡邊隼人さんとも挨拶。
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会場の中でまだ見ていなかった体育館があるので(合計4つあった)スーパーのビールを片手に見て回ることにしました。EJCの醍醐味、昼からお酒。体育館をひょいとのぞくたび、何人も懐かしい面々に再会。今までにEJCや日本のイベントで出会った人たちです。昨年日本で仲良くなったソフィアとトゥコにも遭遇し、しばし歓談。

それが終わると、リングジャグラーのどいさんが、肩パタ(リングの技)をしながら歩いてきました。一緒に、ショー『ディアボレロ』を観に行くことにします。フランスに住んでいるディアボロのトッププレーヤーたちが8人参加した、楽曲『ボレロ』をモチーフにした作品。あの曲自体も使われます。ソロとユニゾンのバランスがよく、期待以上に面白い作品でした。日本であればこの規模の作品を一つ見るだけでもちょっとしたイベントですが、EJCでは、この規模の作品が毎日上演されます。また、同じ演目を2日に分けて2回上演するものもあり、一度見逃しても、もう一度チャンスがあります。

ディアボレロで満足し、今夜のオープンステージとファイトナイトは、外にある大画面で見ることに。「オープンステージ」とは、誰でも演技を披露できるショー。「ファイトナイト」は、クラブコンバット(カスケードをしながら、相手のクラブをはたき落とすゲーム)の世界規模トーナメント。今回のEJCでは、外に大きなスクリーンがあって、テントの中に入らなくてもプロクオリティのカメラワークによる映像を見ることができました。実に快適。外でぐびぐびお酒を飲みながら、足を伸ばして芝生の上でみんなで観覧。ヨーロッパの夜は、夏といえど少し肌寒いこともあるのですが、長袖を着て対処です。

見終わって解散し、ぶらぶら歩いていたら、最近身体が気持ちいいくらいにクルクルと回る超絶技巧ボールジャグリングビデオを出して話題になったレオナールくんと遭遇。色々と話すことができました。彼は日本語を勉強していて、日本語でも積極的に話してくれます。テーブルを囲んでビールを飲みながら喋り終わったら、もう真夜中。だいぶ寒くなってきたので、テントに帰り就寝。

<8月7日 木曜日 EJC3日目>
朝7時ごろ起床。気持ちの良い目覚め。今回のEJCは、久々のテント泊です。近場のホテルをとっている日本人が多かった中で、僕はテントや寝袋を日本から持参しました。圧倒的に安くあがることは長所だし、EJCならではの経験、という意味で面白くもあります(向き不向きはあると思いますが)。年によっては、雨でテントが浸水したり、キャンプ場が徒歩30分のところにあったりなど、不便を感じることもあるのですが、今回は特に問題なし。
まずはカーペット敷きのイエローホールに。

このホールの裏手にカフェスペースがあって、電源も取れるため、ここで少しパソコン仕事をしました。

それから、今日も下にあるトレーダーズブースへ。買うかどうか迷っていたライトベージュ色のリングを3枚買いました。当然ですが、日本で買うより安い。
15時から市内でショーをやるというので、会場からの無料シャトルバスで街に出ます。バスがたどり着いた先は大きな公園。半分牧場のようになっていて、牛もいました。

ここでまた、ショーを見ます。『Claudette』という、人形劇とジャグリングを合わせたショー。これを披露したマレタ・カンパニーは日本でも静岡大道芸で公演をしたことがあります。その時は彼らを見られなかったので、念願の観覧。

そのショーの次にも別の演目があったのですが、それを見るのはスキップして、少し街を散策。アルンヘムの中心部に行ってみました。古い建物が残る通りを歩きます。遠くから見えていた教会にも立ち寄ってみて、本屋なども冷やかしながら歩いている最中に、旧友のドイツ人ジャグラー、ニクラスくんと遭遇。今日到着したんだ、と言っています。およそ10年ぶりの再会で、お互いにびっくり。国境を越えた同窓会のようなことが起きるのも、EJCならでは。

再び公園に戻ると、ジャグリングゲームが行われていました。ナンバーズジャグリングや逆立ちの耐久戦をやっています。参加人数が、日本で見るものや、ヨーロッパの小さなコンベンションのものとは比較になりません。この迫力もEJCならでは。

しばし観覧ののち、バスで会場に帰って、今度はオープンステージを見ることに。いつも長蛇の列をなしていて、最後のほうに並んでもいい席で見られないので、今回は1時間前から並ぶことにしました。友人と一緒に待ちます。荷物を置いてジャグリングをしながら待機。僕は買ったばかりのリングで技を練習。
オープンステージは面白く、日本人の吾郷天星くんもラインナップの中に入っていて、競技ディアボロで鍛えた確かな技術とカナダのサーカス学校仕込みの表現力、そしてミュージカリティでおおいに沸かせていました。

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ショーが終わった後に舞台裏へ行くと、オープンステージを毎年のように仕切っているドイツ人のポーラがいました。ポーラは、僕が2012年に初めてEJCオープンステージに出たときにも舞台監督をしていて、その時の思い出がいまだに心に残っています。ショーが終わり、僕らも興奮している最中、「ほーら! ビール飲みなさーい!」と言ってガポガポ瓶ビールを開けて(しかも瓶同士を引っ掛けてワイルドに開ける)僕らに渡してきて、自分もグビグビ飲んでいて、実にカッコよかった。
今年のポーラはお腹が大きくなっていて、新しい命が宿っているとの事でした。聞けばもう妊娠7ヶ月。そんな身体でオープンステージを仕切って元気にしゃべっているポーラ。その姿を見たら、こちらも元気が出てきました。いやー、すごい。そして、今回はピザをくれました(ショー出てもいないのに)。
天星くんは、EJCに着いたばかりでまだ会場の中を十分に見ていない、と言うので、一緒に会場を見て回りました。先ほどのオープンステージを見た人から「ショー、良かったよ!」という声もたくさん聞こえてきます。感想が素直にたくさん聞けるのもEJCのいいところ。
だんだん、僕の方が話しながら寝てしまいそうになったので、切り上げてテントに帰り就寝。
<8月8日 金曜日 EJC4日目>
10時起床。会場内にあるフードトラックのコーヒーが美味しかったので今日も飲みに行きます。いつもどおり、フラットホワイトを注文。ちょうどバッタリ会ったドイツ人の友人アニと一緒に、しばしコーヒータイム。彼女はJJF2015のゲストでした。トラックの前にテーブルがあるので、そこでゆっくりとコーヒーを飲むことができ、快適。

それから、イエローホールの裏手にあるいつもの休憩場所へ。カフェバーでもう一杯コーヒーを頼み、仕事をします。

ジャグラーだらけの空間に身を浸すことがEJCの醍醐味、でもホッとしたい時はあるもので、この場所は非常に落ち着きます。充電もできるし。テント生活の間は、これもありがたい。ちなみに、会場入り口にある受付に行っても「チャージングポイント」というのがあり、充電はできます。しばらく仕事をすると、jugmapのよねさん、えつみくんから連絡あり、合流。少し会場を案内したのちに、昼食をご一緒する。奢ってもらいました、メルシー。イタリア人がやっている「アジアンキッチン」のインドネシアヌードルを食べました。この人たちは、おそらく毎年来て、こうしてEJCで店を構えています。そして、この店、とにかく量が多い。2人前はあるヌードルを1人で完食。
そのあとはまたいつもの場所(イエローホール裏)に戻り、日記執筆タイム。5時からのガラショーに間に合うように仕上げます。
ガラショーとはEJCの目玉ショー、日本で言うと「ゲストステージ」のようなものです。最近はガラショーに関して別個で料金を払う場合も多くなっています。
今年のガラショーは、コンパクトにまとまっていました。去年などは、なんでそんなに呼んだの、というくらい大勢のパフォーマーが呼ばれていて、かつMCがとても長かったため、全部で3時間以上もやっていてやや冗長でしたが(各々のパフォーマンス自体は素晴らしかった)今年は90分でピシッと。
僕が特に気に入ったジャグリングは、初っ端の演技を務めたジョー・フィシャーによる、音楽にピッタリ合わせたクラブの演技。最初から最後まで音を逃さず動きをはめていき、かつ世界トップクラスの技術を詰め込んだ、最高のアクトでした。
いいショーを見ていると、自分もステージに立ちたい気分になってきます。
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ショーの後は、10年ぶりに再会したニクラスと一緒に、ビールを飲みながらスラックライン(誘われた)。何度もラインから落ちながら、積もる話をつらつらと。

会場の広い野原にはスラックラインが張られていて、誰でも試すことができました。さらに上空10mほどの高さにもスラックライン(的なもの)が張ってあり、そちらも安全装置をつけた上で誰でもトライすることができ、迫力がありました。僕は普通のスラックラインすらできないのでやっていませんが。

お腹が空いたので2人でスーパーに行ったものの、あまりにも購買を待つ列が長いので、釜焼きピザを買うことに。ハムとキノコのピザ1枚で15ユーロとなかなか高いものの(2500円!)美味しいし、まぁ、しょうがない。そして今夜のオープンステージも外の画面で見ることに。数日前に『Escalate』を披露したバイロンがいたので一緒に観覧。オランダは日が暮れるのが遅く、午後8時すぎの夕暮れが眩しい。

今夜はディアボロバトルがあるので、それまでの時間、一番大きい体育館であるオレンジホールで少しジャグリングを。初めて、このコンベンションでまともにジャグリングをしました。楽しかった。練習を終えてニクラスとディアボロバトルの会場に向かうと、大入満員。しかし僕らが入る時にちょうど数人出てきて、運良く入場。もう真夜中であったにも関わらず、いよいよトーナメントも佳境に差し掛かっていて、大盛り上がり。スキルレベルもさることながら、特に台湾人プレーヤーたちの技、煽り方はまるでブレイキンのバトルのよう。テントがゆれんばかりに盛り上がっていました。

途中、ボールジャグリングの演技が入ったのですが、リアム・ウィルソンとイザベラ・メイジュンによる演技自体は素晴らしかったものの、なんせもう深夜なのと、テンションがバトルと違いすぎるので(2人とも静かな演目……)場違いな感じがもったいなかった。
バトル優勝は、フランスが誇るナンバーズのスペシャリスト、ダミアン・クビツキ。
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バトルが終わったら、バーテントの前でたむろしていた友人の集団と喋ってから、ファイヤースペースを覗く。
EJCには、ファイヤー道具を扱うプレイヤーもたくさんいます。夜になると、火を灯した道具を振り回している人たちが集まるコーナーが盛り上がりを見せます。DJがノリノリの音楽をかけ、みんな楽しそうに踊ったり、黙々と練習したり。それを見ながらおしゃべりをする人もなんだか楽しそう。この光景も、EJCの醍醐味の一つでしょう。

1人でファイヤースペースをぼんやりと眺めていたら眠くなってきたので、テントに帰って就寝。
<8月9日 土曜日 EJC5日目>
朝9時起き。恒例のコーヒートラックでまたもフラットホワイト。もう習慣です。今日はテーブルで数人のオーストラリア人と話します。インタビューも撮る。EJC、どうですか? と聞くとみんな満足そう。そしていつも通りイエローホールへ行きます。

EJCでの過ごし方は本当に人それぞれ。一日中ジャグリングをしている人もいます。せっかくジャグリングコンベンションにいるんだから道具を投げればいいのに、ずっとパソコンと睨めっこしている人もいます(僕です)。暇そうな人を見つけては四六時中話している人もいます(僕です)。ジャグリングをするスペースは24時間オープンなので、練習がしたければいつでもできます。
ワークショップも朝から晩までたくさん行われています。コンベンション以前に事前の申し込みがあるわけではなく、やりたい人が、メモ用紙に内容と時間と場所を書いて、ボードに貼るだけ。その一覧を見て、これに行ってみよう、と、参加者は好き勝手に参加します。
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さて、いつもの場所で仕事をしていたら、日本から参加していたナツメダさんがやってきました。ちょうど休憩をしたい気分だったので、一緒にカプチーノを頼んで、カフェで一服。台湾から来ていたジャグラーたちの輪に混ぜてもらってEJCの感想などを聞きました。天気も良くて、外のテラス席が気持ちいい。
今年は、日本人よりも台湾人の数の方が多かった気がします。

台湾のジャグラー、サーカスアーティストたちはどんどん国外に出てきており、サーカススクールに通う人、大会で優れた成績を残す人、たくさんいます。みんな意欲的。
その後は、また野原に戻って、外の大画面でオープンステージを友人のダニとニクラスと一緒に見ました。そしてまたイエローホールに戻る。今回は、仕事ではなくて、買ったばかりのリングで少しだけジャグリング。
今日が最後の夜なので、友達を見つけては最後の挨拶をし、ハグを交わします。
それから、会場をわざとぐるっと一周歩いて、テントまで帰りました。

<8月10日 日曜日 EJC6日目>
最終日は、みんなパッキングをして帰るだけ。僕もテントを撤収し、帰り支度をします。

テントはこちらに置いていくつもりで日本から持ってきたので、昨日の時点で、Facebookで「テントいる人いますかー」と募集をかけておきました。すぐに数人から連絡があり、一番に連絡してくれたオランダ人メリッサさんにテントをあげることにしました。自らが関わるコンベンションで使うそうです。
僕は荷物が減るし、相手は喜ぶしで一石二鳥でした。
そして、いよいよ会場にさようなら。
アルンヘム中央駅まで、シャトルバスに大勢のジャグラーたちと乗りこみます。15分ほどでアルンヘム駅に到着。アルンヘムからはさらに別のバスで、アムステルダムの空港まで向かいました。同じバスに乗車した日本人と、思い出話に花を咲かせながらの帰路。あっという間のEJCでした。
僕のEJCはここで終了。途中参加をするのは初めてで、出遅れた気分になるかなとも思いましたが、全くそんなことはありませんでした。EJCでは各々のペースで生活していればよく、人と関わっても、関わらなくても、ジャグリングしても、しなくても、一日仕事をしていても、なんでもいい。だからこそ居やすい、という自由があります。
EJCは、行ったことのない場所へ行くいいきっかけになるので、9回目の参加でも依然としてワクワクします。来年の開催地は、スロヴェニアのプトゥイです。

スロヴェニアは、あまり広く知られた国ではありません。でも実は僕は一度訪れたことがあって、とても好きな国です。特に、インディ・ジョーンズの世界のような、大きい鍾乳洞を見たことが印象的でした(シュコツィアン洞窟群)。巨大な空洞の中に大きな橋がかかっていて、その下を大河が流れています。ガイドの人が、「かつて大雨で洪水になった時、今いる、ここまで水でいっぱいになったのです……」なんて、頭上の壁に刻んである線を指しながら言うのです。鳥肌が立ちました。それから、大きくて澄んだブレッド湖の真ん中に立つお城。その遠くに見える山々。首都近郊の自然がとても雄大できれいで、感動したのを今でも覚えています。首都リュブリャーナの街は、こぢんまりとしていて感じがよかったです。当時は物価も安かった。もっとも、行ったのは10年以上前。今はどんな様子か知りません。そして、ご飯もおいしかった。特に、適当に自販機で買ったヨーグルトがおいしかったという記憶があります。別に、特殊なものでもなんでもなかったと思うんだけど。酪農が盛んなのかな、とか思いました。
プトゥイはどんな街でしょうか。
EJC2026は、2026年8月1日~9日に開催です。
どうなるかはわかりませんが、僕もまた飽きもせず行ってしまう気がします。
興味が湧いた方はぜひ、このジャグリングフェスティバルについて色々と調べてみてください。何か疑問があれば、僕に聞いていただければ、お答えできる範囲でなんでもお答えします。
そしていつか、年に一度の、この自由なジャグリングの祭典に参加してみてください。きっと楽しい出会いが待っているはずです。


